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アフガニスタンで行われていること(伊勢崎賢治さんの記事から) [戦争と平和]

アフガニスタンで何が行われているのか。新聞・TVなどのメディアがキチンと伝えていないので、日本人殺害のような事件が起こる背景に何があるのか、ほとんどの日本人には分からないのではないでしょうか。

私は、アメリカ主導の軍事作戦(OEF「不朽の自由作戦」)に日本が加担していることに原因があると思っています。

以下、現地で実際に紛争処理を経験している伊勢崎賢治さんの記事「第7回 アフガニスタンで行われていること 〜国会に呼ばれました〜」(『15歳からの国際平和学』)からその一部を引用したいと思います。

 混乱の続くアフガニスタンでは、現在二つの国際社会による軍事作戦が行われています。

 ひとつは、通称OEF「不朽の自由作戦」。2001年の9.11の同時多発テロ後、その犯人のテロ組織アルカイダと、それを匿った当時アフガニスタンを支配していたタリバンという政治宗教グループを「世界の敵」と捉え、それらをやっつけるというもの。これは、そもそもアメリカ本土が同時多発テロで攻撃されたことを「戦争」と見なし、アメリカ自身の「個別的自衛権」、つまり正当防衛という考えで、その犯人たちが潜伏しているアフガニスタンを報復攻撃したことから始まりました。そこにNATOという軍事同盟が加わります。つまり、一つの同盟国の危機は同盟全体の危機と捉え、その国の個別的自衛に加え同盟として一緒に戦う(集団的自衛権)という考えです。イギリスフランスなどが加わりました。

 アフガニスタンで行われているもう一つの軍事作戦は、通称ISAF「国際治安支援部隊」。これは、同時多発テロを受けたアメリカのアフガニスタンへの報復攻撃で、一応タリバンを隣国パキスタン国境へ追い出すことに成功した後、焦土と化したアフガニスタンに安定した民主国家をつくるために治安維持のお手伝いをするというもの。これは、国連が、国連憲章第7章で定める「国連的措置」という考えで、国連加盟国全体、つまりアフガニスタンと全く関係のない例えばアフリカの小さな国にも、国連加盟国である限り、参加を呼びかけるものです。

 どうも、日本では、この「集団的自衛権」と「国連的措置」という考え方が混同されているようです。


 「集団的自衛権」とは、同盟関係、つまり、「国益」を共有する密接な利害関係のあるものどうしが、みんなで自分たちの身を守るという性格のもの。
 「国連的措置」とは、自分とは利害関係の全く無い、例えばアフリカの貧しい国の人道的危機を救うことを「世界益」と捉え、国連加盟国全体として、つまり富める国もそうでない国も皆で窮地に陥った人々を助けようという性格のものです。このコラムで紹介したシエラレオネの国連PKO活動を思い浮かべてください。

 このように、同じアフガニスタンで行われているこれらふたつの軍事作戦は、その成立過程も国際法上の根拠も全く違うものなのです。


 奇妙なのは、「国連主義」をずっと掲げながら、NATOの加盟国でもない日本が参加しているのがOEF「不朽の自由作戦」で、これが今国内で焦点になっているテロ特措法による自衛隊のインド洋での給油活動です。

 もう一つ、忘れてならないのは、「2次被害」という問題です。OEF「不朽の自由作戦」は、テロリストを抹殺するという性格のものですから、大変攻撃的な作戦です。そして、なるべく米兵や同盟国の兵士に犠牲が出ないよう効率的に敵を殺すために、空爆を主体の戦術を使います。ところが問題なのは、テロリストは一般の人々の居住区にまぎれているのです。だから、テロリストがいるらしいという情報を受けて、その場所を空爆する。その破壊力は大変大きいものですから、当然テロリストとは関係の無い人々が犠牲になる。子供たちもです。これを2次被害:コラテラル・ダメージと言いますが、この犠牲者が大変な数になっているのです。報道によると、2001年の報復攻撃のときだけで、同時多発テロのニューヨークの世界貿易ビルで犠牲になった人数、三千人を超えているということですし、その後この犠牲はずっと数を重ね、今年の年内に起こった数字だけをとってみても既に400人余りの子供を含むアフガン市民が犠牲になっています。そして、この作戦をインド洋上で支援しているのが日本なのです。


今回の事件に関連して、町村官房長官がインド洋での自衛隊の給油活動を継続する方針を示したそうですが(詳細)、現地の反日感情をことさら煽るだけだと思います。

(給油活動を継続する日本政府の本音は、日本人が殺されるよりアメリカ政府の圧力の方が怖いから?)


以下の記事も是非お読み下さい。
伊勢崎賢治の15歳からの国際平和学:番外編その1
番外編その2
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「地球環境をお金に換算すれば」 [戦争と平和]

当ブログで何度も紹介している『ヒバクシャ ~世界の終わりに~』、『六ヶ所村ラプソディー』の監督であるドキュメンタリー映像作家、鎌仲ひとみさんのコメントが、法学館憲法研究所のサイトに掲載されています。

この鎌仲さんのコメントは、環境問題を考える上で、とても示唆に富む内容だと思うので、紹介しておきます。
http://www.jicl.jp/hitokoto/backnumber/20060925.html

<以下、記事からの抜粋>
1999年にNHKで「エンデの遺言」とい番組をチームで作った。ドイツファンタジー作家ミヒャエル・エンデは全ての問題の根源に経済システムがあると言い残して亡くなった。私たちは共産主義と資本主義があると思ってきたが、共産主義もまた国家による資本主義に過ぎず、その資本主義は市場経済至上主義だったのだと。持てるものがより富を増やし、持たざるものはより貧しくなるしかない経済の仕組みをただ資本主義だと誤解してきたのだというのだ。金儲けのためには何をしてもいい、それが自由経済だ。

この地上で最も環境破壊的な行為は戦争だ。これ以上戦争をすれば環境破壊の急激に進みもう修復は今でさえ不可能に近いのだ。憲法9条はこの世界を破壊しないためにどうしても必要なものだと思う。もはや戦争は選択枝にはないという現実を我々は肝に銘じなければならない。一機の戦闘機が練習飛行するだけでいったいどれだけの資源が無駄になっているのか。これは真に現実的な事実だ。憲法9条は理想主義でもなんでもない、世界の現実に鑑みればこれほど現実的な憲法は存在しない。破滅か生存か、選択枝はない。

ヒバクシャ ~世界の終わりに~

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